森の絵本(2024年10月27日)

   広場のまわりに「森の絵本」として、絵があります。一つ一つ撮って並べてみました。
巻機山の伝説
昔々新潟と群馬の間にある巻機山のふもと塩沢というところがありました
ひとりのおとことお母さんが仲良く住んでいました
雪がとけ ようやく春がきました しかしそんなある日お母さんが
お腹が痛くて寝込んでしまいました おとこは村の年寄りに聞きました
「山に咲く黄連の花を煎じて飲むと治るのだが」
おとこはうれしくなり 春に咲く黄連をさがしに巻機山に登っていきました
行けども行けども 花はみつかりません それでもどんどん登っていきました
ところが花はまったくみつかりません おとこが疲れて石に腰をおろすと
「トンカラ トンカラ」と 山の上から音が聞こえます
「こんな山奥になぜ機の音が」 おとこは昔のある方に歩きました
そこには小さな小さな小屋がありました おとこがこっそりのぞくと
とても美しい娘が機を織っています 「私は村の者です 春一番に咲く
黄連の花を探しにきました」 おとこは娘に病気の母のことを話しました
美しい娘はおとこに言いました 「黄連の咲く所を知っています 
私が取ってきてあげましょう」 しばらくするとたくさんの花をもって
娘がもどってきました 「病気を治す方法も知っています」
たくさんの織物を手土産におとこと娘は山をおりました
村人たちはびっくりしました おとこがとても美しい娘と
たくさんのきれいな布と一緒に帰ってきたからです
娘は村の女に機織りをおしえました みんな大喜びで娘に感謝しました
織物をいろんなところに売り 村はだんだん豊かになっていきました
「ほんとうによかった」 「ほんとうによかった」
おとこのお母さんも黄連と娘のおかげでどんどん元気になりました
お母さんは娘に頼みました 「むすこの嫁になっておくれ」
娘はおとこがすきになり 男も娘がすきでした そしてふたりは夫婦になりました
ある日 「一人でやりたいことがあります のぞかないでください」と
娘は一人で部屋にこもりました ところがどうしても気になります
おとことお母さんがのぞいてみると そこには皮を脱ぐ
大蛇の姿がありました大蛇は驚き すぐ娘の姿にもどりました
「正体を知られてはここにいられません」 娘はおとことお母さんに告げました
空は暗くなり 雷がひびきます おとこは泣きながら止めましたが
娘は龍に姿を変え 空に昇っていきました
「楽しく過ごすことができました これからもずっとお幸せに」